仏式の葬儀の際に、参列者から受け取る香典。香典を受け取った場合は、そのお礼として香典返しをすることが一般的です。
しかし、香典返しを準備する側にとっては、「香典返しにどのような品物を用意したほうが良いのだろうか」など、困ることも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、香典返しを受け取ったことのある149人の方に、香典返しの品物について伺った結果をご紹介します。

良いと思った香典返し、1位は「カタログギフト」

香典返しの品物選びに関しては、「不祝儀が残らないよう、“消えもの”にしたほうが良い」といったマナーや、お持ち帰りいただく際の負担など考えるべきことが多く、なかなか難しいものです。
では、実際に香典返しを受け取った方から好評なのは、どのような品物なのでしょうか。香典返しを受け取ったことがある方々に、「最も良い香典返しだな」と思ったものを1つだけお答えいただきました。

画像: 良いと思った香典返し、1位は「カタログギフト」

最も多かった回答は「カタログギフト」でした。次点の「日本茶」の得票率が11.4%であることから、カタログギフトへの圧倒的な支持がうかがえます。

では、なぜカタログギフトに票が集まったのでしょうか。「最も良い」と思った理由についても見てみましょう。

【カタログギフト】が最も良かったと回答した理由

・食品などはその人の好みがあるし、カタログギフトなら選ぶ楽しみもあるし最適だと思う。(大阪府/60代/男性)
・カタログギフトは好きな物が選べて良い。持ち帰るのもかさばらなくて良い。(東京都/20代/男性)
・必要でない物をもらってももったいないから。カタログギフトだと必要な物を選べるから。(広島県/50代/男性)

やはり、カタログギフトは「好きなものが選べる」のがありがたい、という意見が多く見られました。
使わないものや好みではないものを香典返しにいただいて、持て余してしまうのはもったいない上に申し訳なさもあるため、自分の必要なものや好きなものをカタログギフトで選びたいと考えている方も多いようです。

次点以降は、どの回答に関しても「受け取った人が日常的に使用できるものだから」といった旨の理由が目立ちました。

ただし、上記の意見をお寄せくださった方々が日常的に使用しているとしても、「あまり日本茶は飲まない」「自炊しないので海苔をもらっても困る」という方がいらっしゃる可能性もあります。
これまでいただいた香典返しに対してそういった不満を持っていた方が、「カタログギフトが一番良かった」と思っていらっしゃるのかもしれませんね。

香典返しの品物についてどう思うか

続いて、香典返しの品物についての意見をお伺いしました。

「香典返しの品物はなくても良い」と思いますか?

画像: 「香典返しの品物はなくても良い」と思いますか?

上記の質問に対しては、「少し思う」が最多で34.9%という結果になりました。
「とても思う」と答えた22.2%と合わせると、57.1%もの方々が「香典返しの品物はなくても良い」と少なからず思っていらっしゃることが分かります。

「香典返しの品物は高価なものが良い」と思いますか?

画像: 「香典返しの品物は高価なものが良い」と思いますか?

上記の質問では、「全く思わない」が全体の4割以上と最多、次点の「あまり思わない」と合わせると7割を超えます。「香典返しの品物は高価なものが良い」と考えている方は、少ないようですね。

「香典返しの品物は飲食物など、後に残らないものが良い」と思いますか?

画像: 「香典返しの品物は飲食物など、後に残らないものが良い」と思いますか?

こちらの質問に対しては「少し思う」が最多となりました。

ただし、次点が「あまり思わない」というやや否定的な回答であることや、「とても思う」よりも「少し思う」が多数派となっていることから、「後に残らないもののほうが良いとは思うけれども、絶対にそうしなければいけないわけではない」という程度に考えている方が多いのかもしれません。

「香典返しの品物は、葬儀の際に受け取って帰りたい」と思いますか?

画像: 「香典返しの品物は、葬儀の際に受け取って帰りたい」と思いますか?

上記の質問では、「少し思う」が最多となったものの、他の回答にも表が分散する結果となりました。
香典返しの品物を葬儀の際に受け取りたいと思うかどうかは、状況によって異なるものです。葬儀場と自宅との距離や葬儀場への交通手段の他、受け取る品物の大きさや重さなどによっても、どう思うかは変わってくることでしょう。そのような事情から、票が分散したのかもしれません。

香典返しを受け取って困ったこと

最後に、香典返しを受け取って困った経験について伺いました。
香典返しを受け取った方は、どのようなことで困った経験があるのでしょうか。

香典返しにいただいた品物で困った方のコメント

・誰も飲まないコーヒーをもらった時は困った。香典返しなので誰かにあげるのも気がひけるので。(愛知県/20代/女性)
・不幸が重なったときにお茶や海苔がダブってしまったことがありました。(埼玉県/50代/女性)
・センスの違う置物などの場合は、捨てるわけにもいかず困る。(京都府/70代/男性)
・カタログギフトをもらったが、申込期日を過ぎてしまった。(長野県/60代/女性)
・香典返しをお断りしたにもかかわらず、送られてきた。(岡山県/60代/男性)

香典返しを持ち帰る際に困った方のコメント

・持ち帰るのが重かったり、かさばる物だったりで大変だった。(東京都/20代/男性)
・会社のチームの代表で式に出た時、人数分の香典返しを持ち帰り、翌日会社に持っていくのが大変だった。(神奈川県/50代/男性)
・式の後、久しぶりに会った仲間と食事に行ったとき、香典返しが荷物になったので困った。(神奈川県/50代/男性)

香典返しの金額や量で困った方のコメント

・香典返しと別にタクシーチケットを渡された時は困った。高額の香典返しは困ったことがある。(京都府/60代/男性)
・半返しがふさわしいと思うのに、全く安価なタオルなどをもらっても困る。(東京都/60代/男性)
・連名で渡した時も、人数分の香典返しだったので、申し訳なかった。(宮城県/60代/女性)

品目が好みと合っていなかったり、使わないものや高価なものを受け取ったりして困った、という内容の回答が多くなりました。
また、大きいものや重いものだったため、持ち帰るのが大変だった、荷物になってしまったといった意見も散見されました。
この回答の傾向からも、冊子のみを受け取るだけで済むカタログギフトが支持を集めたのは、納得できます。

おわりに

今回は、香典返しを受け取ったことのある方149人にお聞きした、香典返しに関するアンケート結果をご紹介しました。

実際に受け取ってみて「最も良いと思った香典返しだな」と思った品物は、過半数の支持を得てカタログギフトとなりました。受け取った方が好きなものを選べる点と、持ち帰りの負担がないことが人気の理由のようです。
また、「香典返しの品物はなくても良い」と少なからず考えている方が過半数いらっしゃったことも、興味深い結果でした。

地域の慣習や親族からのアドバイスなどから「香典返しには自分で心を込めて選んだ品物をお渡しするべき」「香典をいただいたら絶対に香典返しをしなくてはいけない」といった考えをお持ちの方も多いかもしれませんが、時代は少しずつ変わっていっているのかもしれません。

調査概要

調査区域:47都道府県
調査方法:インターネットリサーチ
実施期間:2018年11月20日〜11月27日
有効サンプル数:149(香典返しを受け取ったことのある、20代以上の男女)

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