「ミーちゃんがくれたいっぱいの幸せ」平成にゃんこ物語

ある日、夜の公園で

地元を離れて10年目。いつものように勤務を終え、1人暮らしのアパートへ帰る途中のことでした。

道沿いの公園から「ミャー、ミャー」とかすかな鳴き声が…。耳を澄ませながら探すと、ベンチの上に段ボール箱がひとつ。

ミーちゃん、家に来る

このままではきっと死んでしまう。でも、私のアパートはペットの飼育不可…。

しばらく迷ったものの、小さな体で震えるように鳴いているミーちゃんを放っておくことはできず、連れ帰りました。

初デートで起こった奇跡

ミーちゃんと名付けた子猫と暮らしてから、幸運な出来事がたびたび起きるように。猫好きな知人を通してケイスケさんと出会ったのもそのひとつ。

初めてのドライブデートでは、ケイスケさんの提案でミーちゃんを一緒に連れて行きました.

デートはいつも…

それ以降、クルマでのお出かけは必ずミーちゃんも同行。

ミーちゃんも3人でいるときにはどんな場所でも怖がらず、一緒にデートを楽しんでいるようでした。

プロポーズ

初デートから1年、いつものように3人で公園へ出かけました。私が作ったお弁当を食べながら、ミーちゃんは私の膝の上でお昼寝。

すると突然、ケイスケさんが「そろそろ３人で暮らさないか」とプロポーズしてくれたのです。

子育てミーちゃん

結婚して１年後に、長男誕生。大型犬が人間の赤ちゃんをあやす話は聞きますが、ミーちゃんがまさにそれ。さらに2年後に長女を出産。

やんちゃ盛りの長男の相手をしながらも長女の子守をしてくれる優しい猫ちゃんでした。

ミーちゃんのいるアルバム

ミーちゃんは、私たちにとってかけがえのない家族の一員でした。

やがて子供たちが成長し、友だちと外で遊ぶようになると、出かけて行く姿を窓辺で見つめるだけになり、ミーちゃんも少しずつ年老いていきました。

いつも一緒だよ

出逢いの日からずっと、私に幸福を運んで来てくれたミーちゃん。

それは、もしかしたらミーちゃんなりの恩返しだったのかも。そして今でもずっと、私たち家族を見守ってくれているのかもしれません。

イラスト ⁄ ちーぱか
ライティング／八尋みくり
編集／都恋堂

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