画像: 海のそばで故人と一緒に過ごしている気分。風に吹かれて気持ちよさそう 写真提供:菊池光義さん(「旅する仏壇」デザイナー)

海のそばで故人と一緒に過ごしている気分。風に吹かれて気持ちよさそう

写真提供:菊池光義さん(「旅する仏壇」デザイナー)

お位牌とおりんと香炉、りん球を入れて片手で持てるコンパクトな「旅する仏壇」。持ち運べることで、大切な人を偲ぶ機会が増える新しいスタイルの祈りの道具です。

こんなに小さくても仏壇?!

バッグの中に忍ばせて思い出の場所へ一緒に旅行したり、近所の桜を眺めに行ったり、月がキレイな夜は窓辺に置いてお酒を飲んでみたり。

「旅する仏壇」は、500mlのペットボトルとほぼ同じくらいのサイズ。手提げのトートバッグやリュックサックなどに入れて気軽に持ち運ぶことができます。そして、ミニチュアのようにコンパクトながらも厳選した素材を使い、職人の手により細部までこだわって作られているのが特徴です。

唐木のミニチュア仏壇

道具をしまう容れ物であり、位牌を置く台にもなる仏壇部分は、伝統工芸師である唐木仏壇の職人が手掛けたもの。素材は、黒檀と紫檀の2種類から選べます。

唐木とは紫檀・黒檀・白檀など熱帯地方から輸入された木材のこと。「唐から来た木」として古来より珍重され、正倉院の宝物殿にも琵琶や碁盤など当時の唐木細工が収められています。特に黒檀は「木のダイヤモンド」と呼ばれ、木目の美しさは秀逸。

また、正倉院の唐木細工が今も残っていることから分かるように、見た目の美しさだけでなく耐久性も非常に高いのです。現在は輸入が禁止された貴重な素材ゆえ、なるべく無駄のないよう大切に大切に工夫しながら使っているのだそう。

一方で、唐木は釘が使えないほど硬く、割れやすいため加工がとても難しい素材でもあります。そのため「旅する仏壇」も、接合部に細い材を間に挟んで強度を出す「ほぞ組み」など様々な手法を駆使しながら、熟練の職人が精巧に作りあげられています。

手のひらで包み込む、小さな位牌

お位牌のサイズは3寸(約9センチ)。黒檀と紫檀、真鍮の3つの素材から選べます。真鍮製のお位牌は340gと大きめのりんごくらいの重さ。お位牌は故人の魂が宿る場所だからこそ、手に包み込んだときにその存在を感じて欲しいという想いから生まれました。さらに真鍮性のお位牌は文字を入れる際、彫った部分が真鍮本来の金色に輝き、ぐっと神聖な雰囲気を醸し出します。

画像: 「旅する仏壇」写真奥が黒檀、手前が紫檀

「旅する仏壇」写真奥が黒檀、手前が紫檀

祈るための要素は極力絞って

「旅する仏壇」には、祈るために最低限必要な道具として、おりん&りん球、香炉が備えられています。これらの素材としては、富山県高岡市で江戸時代から続く伝統工芸品、高岡銅器が選ばれました。

おりんは大きさや形状はもちろん、音にもこだわって専門の工房で製作。ゴールドは真鍮、シルバーは錫(すず)で出来ており、錫の方が少し高音に響きます。

自分好みの仏壇に。

仏壇の木材、おりん&りん球と香炉セット、お位牌は、それぞれお好きな種類を選ぶことができます。故人を想い、使うシーンを思い浮かべながらひとつひとつ選んでいくのも良いですね。

一番大事なことは偲ぶ気持ち

「旅する仏壇」は、東京の伝統工芸品の技術を生かした商品を、職人とデザイナーが共同制作し、国内外に発信する”東京手仕事”プロジェクトをきっかけに誕生しました。

デザイナーの菊池光義さんは、高校生の頃に父を亡くされ、上京して以降は、年に2回、地方にある実家へ帰った時しか仏壇に手を合わせる機会がないことに、寂しさや申し訳なさを感じていたと言います。

そんな折、”東京手仕事”のマッチングイベントで、唐木仏壇の職人さんたちと出会い、話す中で「仏壇は、実はとても自由であること」 「位牌はいくつ作っても良いもの」だと分かり、「一番大事なことは偲ぶ気持ち」と知って、大きな衝撃を受けたのだそう。そのときの気持ちを元に、デザインを書き起こし、持ち運べる仏壇が誕生しました。

手のひらに収まる小さな仏壇は、蓋をすればそれと分からない形状のため、介護施設へ入所されるときなどに一緒に持っていきやすいですね。また、遠く離れた場所に住む兄弟や家族で、故人の位牌を人数分に分けてそれぞれのお家に置けるよう、位牌分けのためにお使いいただくこともできます。

購入前に手に取ってみたい方は、「お仏壇のはせがわ」の一部店舗(※1)にてご覧いただけます。また、「旅する仏壇」の公式サイトでも通信販売を行なっています。

持ち運ぶこともでき、お家や施設でも場所を選ばず置ける「旅する仏壇」は、大切な故人を身近に感じされてくれる、新しい祈りの道具。住む場所が変わっても、いつでも、どんな時も、あなたに寄り添ってくれることでしょう。

※1店舗によってお取り扱いのないこともあります。詳しくはお近くの「お仏壇のはせがわ」へお問い合わせください。

写真/大塚日出樹

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