画像: Photo by Devon Divine on Unsplash

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大切な方が旅立った後、葬儀に加えて故人に近しい人が集まってお見送りする、“お別れ会”が近年増えてきているそうです。人気の理由は?どうやって準備すればいい?編集部が調べてみました。

最近増えている、お別れ会とは?

“お別れ会”と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

会社を退社される方や遠方へ転居される方のために開かれる会、はたまた、著名人や芸能人が亡くなった時に、大きな会場で行われているセレモニーが思い浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回ご紹介するお別れ会とは、葬儀の後に行う偲ぶ会のことで、ご葬儀の後、故人に近しい方たちで行うお見送りの方法の一つです。最近は、ご親族とごく親しい知人のみのコンパクトな葬儀が好まれる傾向があります。そのため葬儀に参列できなかった友人知人や仕事関係の方のお見送りの場として、葬儀の後に改めてお別れ会を開くことが徐々に増えてきているのだそうです。

自由な形式でゆっくりと偲ぶ

画像: Photo by T. Rampersad on Unsplash

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筆者も数年前に “お別れ会”に参加したことがあります。長年お世話になった方で、急に旅立たれてしまわれたために、心の整理がつかない日々を過ごしていました。そんな寂しさを抱えた中で参加したお別れ会は、共通の知人と久しぶりに再会し、故人から生前に話に聞いていた方々とも初めてお会いでき、故人との楽しかった思い出を共有する時間となりました。

いつも周りの人を巻き込んで雰囲気を盛り上げていた故人らしい賑やかな会で、さらなる思い出ができたような気分になったものです。

会場には祭壇があり、思い出の品が展示されていました。会では、生前親交が深かった方々から故人へ向けたメッセージが上映された後、会場でも親しい友人たちからの故人にまつわるエピソードが披露され、参加者はそれぞれに故人を偲びつつ思い出話に花が咲きました。

一般的な葬儀と大きく違うなと感じたのは、服装は平服で、式進行は司会者による案内はあるけれど、自由に楽しく語り合う時間がたくさん設けられていたことです。

故人の生き様やストーリーを
その方だけのコンセプトで

画像: 故人の生き様やストーリーを その方だけのコンセプトで

「お別れ会は自由でいいんです。その方との思い出を語り合って偲ぶ場所だと思いますから」

そう教えてくれたのは、「お別れ会プロデュースStory(以下、Story)」のサービスを行なっている株式会社鎌倉新書の太田さんと井野さん。

鎌倉新書は、個人向けに葬儀社を仲介するWebサービスを運営されていて、自社コールセンターを持っています。そこにさまざまな相談が寄せられる中で、ご葬儀とは別の形でお別れ会をできないかという問い合わせが増えていたそうです。

しかし、当時はそのようなサービスを提供する会社が見つかりませんでした。そこで、困っている方に最適な会社を紹介するのが我々の使命、紹介する先がないなら自分たちでやるしかない、と考えられたとのこと。

「お別れ会をすることで、故人が大切に思っていた方々に故人からの感謝の気持ちや生き様を伝える場をつくりたい。そう思って、このサービスを始めました」と井野さん。

これまでに開催された会がどんなものがあったのでしょう。
「例えば、お母様を亡くされたご子息が発起人となって、故人の中学、高校、大学時代の同級生や知人を招き、一緒にアフターヌーンティーを楽しみながら、故人との青春時代の思い出を語り合う会がありました」

そのほかにも、日本酒が好きだった故人のお別れ会では、故人と会社帰りに飲みに行った時のような雰囲気をと、居酒屋さんを会場にされたこともあったそうです。お店のカウンター上に祭壇が設けられ、故人に日本酒で献杯し、当時の仕事仲間やご家族が、思い出話を肴にお酒を楽しまれたのだとか。

また、故人の思い出の場所や通勤ルートをバスで巡ったあと、お食事会をされたことも。バスの中では、ガイドさんが思い出の場所を案内し、故人の思い出ムービーも上映されました。

野球を愛した少年野球の監督さんのお別れ会では、祭壇をマウンドを模し、献花の代わりに“献球”と称して参列者が野球ボールを祭壇に捧げるなど、その方ならではの趣向を凝らした会がたくさん行われてきたのだそうです。

井野さん曰く、「お別れ会は、残された方々が今後前向きになるための会であってほしいですし、そういう意味では参加された皆様で作り上げていかれるものかなと思っています。

故人のメモリアル映像などを流すこともありますが、それはあくまで演出の一部。やはり皆様で、『あの時、あいつがこう言ったよね、楽しかったな』など思い出を語り合う場にしていただきたいですね」

どうやったらお別れ会ができる?

お別れ会をやりたいと思ったとき、どうすればよいのでしょう?
Storyの場合、お別れ会プロデューサーが主催者の方に、故人のお人柄や生前のつながり、お好きだったものなどをお伺いします。そうやって一緒に故人の思い出を話しながら、その方だけのオリジナルコンセプトを作っていくのだそうです。

お別れ会は、葬儀と異なり時間の制約が少ないため、落ち着いて準備に取り組めるのが特徴。準備には、おおむね1ヶ月半〜3ヶ月ほどかけられる方が多いそうです。コンセプトにあった会場を選んで飾り付けたり、案内状やオリジナル映像を作成したり、という進め方は結婚披露宴の準備と似たところもあるかも知れません。

「お別れ会のことが気になられたら、弊社には無料相談窓口がありますので、ざっくばらんに何でも気兼ねなくご相談ください。私どもとしては、まずはお別れ会の良さを知っていただくことができればと思っています。そして実際に、大切な方を亡くされた方のお手伝いができればなお嬉しいです」と太田さん。

画像: 鎌倉新書の太田智志さん(右)と井野貴亮さん(左)。お客様に喜んでいただいた思い出話に思わず笑顔

鎌倉新書の太田智志さん(右)と井野貴亮さん(左)。お客様に喜んでいただいた思い出話に思わず笑顔

今回お話を伺って感じたのは、お別れ会は、故人とのたくさんの思い出を自由に表現し、故人に縁のある方たちとでゆっくり偲ぶことができる場だということ。

大切な方を亡くしても、また前を向いていけるように。

お別れ会のプロたちが、そっと優しくお手伝いしてくれることでしょう。

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