大切に使っていた物には「付喪神(つくもがみ)」が宿ると信じる日本人の精神を象徴するイベントが、京都では数多く開催されています。
人に対してだけでなくお世話になった物も供養したいと思うのは、日本人の「弔い」の精神の現れですね。
今回は、職業や趣味などでお世話になった道具を供養するイベントをご紹介します。
針供養
虚空蔵法輪寺
虚空蔵法輪寺(こくうぞうぼさつほうりんじ)は通称「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれています。
法輪寺での針供養は、皇室で使用された針をご供養せよとの天皇の命により始まったといわれています。
現在でも毎年12月の針供養の際に、皇室からお預かりした針のご供養をしています。
針供養当日には、一所懸命働いてくれた針に休んでもらおうという意味を込めて、蒟蒻に使用済みの針を刺して供養します。
詳細
供養場所 | 京都府京都市西京区嵐山虚空蔵山町 |
供養日程 | 2月8日、12月8日各13時〜 |
注意事項 | 注射針は供養できません |
虚空蔵法輪寺ホームページ
虚空蔵法輪寺地図
櫛供養
櫛供養は安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)にて「櫛まつり」の時に開催されており、使い古した櫛やかんざしに感謝を込めて供養するお祭です。
安井金比羅宮には昭和36年9月に境内北側に久志塚(櫛塚)が建立されました。
櫛塚には女性の髪の美しさを引き立てる櫛を祀っており、女性の美容美顔美髪にご利益があるとされています。
櫛まつりは、13時開始の神事と14時開始の時代風俗行列巡行に分かれて行われます。
13時〜 | 神事 | 塚の前で祭典が執り行われ、安井金比羅宮に寄せられた櫛を塚内へ納め、 拝殿で舞踊「黒髪」が奉納される。 |
14時〜 | 時代風俗行列巡行 | 伝統の髪型と風俗衣装の解説の後、時代風俗行列が神社周辺祇園界隈を練り歩く。 古墳時代から現代の舞妓の髪型まで、伝統の髪型は全て地髪で結い上げられる。 |
詳細
供養場所 | 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70 |
供養日程 | 9月第4月曜日 |
安井金比羅宮ホームページ
安井金比羅宮地図
数珠供養
数珠供養は赤山禅院にて11月23日に行われます。
大阿闍梨*による加持祈祷、珠数のお焚き上げをしお世話になった数珠を供養します。
*大阿闍梨:三密*に通じた偉大な阿闍梨*のこと
*三密:仏教用語。 主として密教でいわれ、身・口(く)・意の三業(さんごう)のこと。手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密(くみつ)、心に本尊を観念する意密。
*阿闍梨:模範となるべき高い徳をつんだ僧
詳細
供養場所 | 京都府京都市左京区修学院開根坊町18 |
供養日程 | 11月23日 |
赤山禅院ホームページ
赤山禅院地図
陶器供養
陶器供養は千本釈迦堂大報恩寺(だいほうおんじ)にて陶器市の期間中に開催されます。
本尊釈迦如来の方便化身とする地天尊を迎え、日常の生活に欠かすことのできない「せともの」類を祀り、家内安全や健康増進を祈ります。
陶器業界発展のための祈願法要も行います。
詳細
供養場所 | 京都府京都市上京区七本松通今出川上ル8 |
供養日程 | 7月9日〜12日 |
千本釈迦堂大報恩寺ホームページ
千本釈迦堂大報恩寺地図
茶筅供養
興聖寺(こうしょうじ)の茶祭りにて、茶筅のお炊き上げを行い、茶の発展に尽くした栄西禅師・明恵上人(みょうえしょうにん)・千利休ら3人の茶祖への感謝を示し、宇治茶の隆盛を祈る行事です。
詳細
供養場所 | 京都府宇治市宇治山田27-1 |
興聖寺ホームページ
興聖寺地図
いかがでしたでしょうか。
「物を大切に扱いたい」という日本人の温かい気持ち尊重するイベントですよね。
お近くにお住まいの方や旅行タイミングがある方は、是非参加してみてくださいね。