画像: 旅立った大切な人をいつもそばに。喪失感を癒すお手伝いを/メモリアルアートの大野屋

とにかくバリエーションが豊富!「メモリアルアートの大野屋」の手元供養アイテムは、さすが業界の先駆者というほど、カラーやサイズ、素材、形状もさまざま。その全ての商品企画開発に携わる株式会社メモリアルアートの大野屋の上原ちひろさんに商品作りの経緯や込められた思いを伺ってみました。

故人様ともっと一緒にいたい。
いつも身近に感じられる供養アイテムとは?

──お墓の販売から始まった御社が、手元供養のアイテムの製作販売と事業を広げられたきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?

上原 手元供養に限らず、仏壇も葬儀もお墓を買われたお客様からのご要望があったのがきっかけですね。ご家族の方でご不幸があると、精神的におつらい中で、葬儀の準備をしてお仏壇を買って、となるとかなり大変ですよね。窓口がひとつの方が負担もないし、安心だというお客様の気持ちにお応えする形で、仏壇・仏具の販売や葬儀の事業も始めることになりました。手のひらサイズの骨壷や遺骨ペンダントなど手元供養のアイテムの取り扱いも、身近で故人を偲びたいという思いにお応えしたものです。

──具体的に手元供養のブランドを立ち上げられたのが2010年ですね。

上原 その数年前から、他のメーカーさんが作られたものを仕入販売しており、本格的に自社で企画・開発・販売を始めたのは2010年です。当時は、手元供養の商品を扱うことについて、“お墓の代わりになってしまうのではないか”“供養が簡素になってしまうのではないか”“今までの業界のやり方を否定することになるのではないか”という声も社内外からありました。でも、こういった商品が欲しいと言ってくださるお客様に後押しされたことが大きかったと思います。

──お客様たちはどういう理由で手元供養を求められていたのでしょう?

上原 心の拠り所がほしいという気持ちが一番強いのではないでしょうか。故人様と“もっと一緒にいたい”とか、“そばにいて見守って欲しい”とか、そういった気持ちから購入される方が非常に多いです。お墓やお仏壇もお持ちで、そのうえで、身近でも供養できるものが欲しいと購入されています。

日本人はお骨に対する思い入れが強いと思うんです。購入の相談に来られる方の中には、マッチ箱やドロップキャンディーの缶に入れて大切な方のお骨を持っていたという方もいらっしゃったそうです。

そういった潜在的なニーズに、手元供養商品がマッチしたということなのかもしれません。

──なるほど。お墓やお仏壇は先祖代々という印象がありますが、こうした手元供養は個と個の繋がりをより強く感じますね。

上原 そうですね。昔は三世代が同居するご家庭が多く、おじいちゃんおばあちゃんがご先祖様に手を合わせる姿を小さな頃から見て育っていた。しかし今は核家族化が進み、そのような光景は少なくなりました。

そのため意識も変化し、亡くなったお父様、お母様を想うために、兄弟を想うために、と同居していた家族や身近な方を偲ぶほうが、今の方々にはしっくりくるのかもしれません。

身につける時間が長いからこそ
楽しんでつけてもらえるように

画像: 新宿本社にあるショールーム。販売は行なっていないが全商品を実際に見ることができる

新宿本社にあるショールーム。販売は行なっていないが全商品を実際に見ることができる

──そして2010年に立ち上がった手元供養アイテムのブランド「Soulシリーズ」。現在、ペンダントやリングなどの“Jewelry”と、ミニ骨壷の“Petit Pot”、供養台の“Stage”の3アイテムで展開されていますね。その始まりである“Soul Jewelry”を作るきっかけは何だったのでしょうか?

上原 当時、仕入販売していた遺骨ジュエリーは、ボリューム感もあり、デザイン的に納得できるものが少なかったのです。『それでは、自社で開発してみたらどうか?』という話があがり、2008年に初めてのオリジナル商品をつくりました。

その時、意識したのは、女性の視点からジュエリーとして身に着けるのに遜色のないものにするということ。そのため、納められるご遺骨の量は思い切って少なくしました。お手持ちのジュエリーよりも身につける時間が長くなるでしょうし、デザイン性の高さを重視しました。

──この「Soulシリーズ」のブランドカラーを赤にされたのは、どういった理由からでしょうか?

上原 葬儀業界において赤はタブーだと思います。しかし、“Soul Jewelry”を身に着けることで、大切な人を失くした方達がその先のご自分の人生を少しでも前向きに歩んでいただけるように。という想いを込めて作ったブランドです。前向きな気持ちを表す象徴として赤をあえて使っています。

お客様の心に寄り添ったデザインを

──最初の開発時、苦労されたことや、こだわったところはどんなところですか?

上原 私個人の経験から、大切なご遺骨を入れたペンダントトップがチェーンから抜け落ちてしまうことを避けたいと、導入当初はチェーンが抜けない構造にしていたんです。

しかし、その構造では後日修理が必要になった場合に、そのお骨が入ったペンダントトップごとお預かりしなければならず、数日間とはいえ、お客様の手元を離れてしまうことになります。それがお客様に心理的な負担をかけてしまっているということがわかりました。それ以降は、すべてチェーンが外せる仕様に変えました。そうすればチェーンが切れても、新しいチェーンをお送りすれば、お客様ご自身で付け替えられますよね。

──デザインの部分でこだわったところはどういうところですか?

上原 ご遺骨を入れられるスペースを設けることで、一般的なジュエリーの製造方法では対応できないことがたくさんあります。第一線で作っていただいている職人さんたちがもっとも苦労されていると思います。通常なら一つで済むパーツが、2倍3倍4倍になったり、製作工程も非常に複雑です。チェーンの件も同様ですが、前例のない商品の開発を行っているため、試行錯誤をいまだに繰り返しています。 

──お客様はどういったタイミングでご購入されているのでしょうか?

上原 火葬後お骨が帰ってからご納骨までの間にお求めになる方が多いです。ご遺骨が手元から離れてしまう寂しさから、なかなか納骨に踏み切れない方も中にはいらっしゃるのですが、手元供養商品があることで安心できた、というお声もいただいています。

画像: 遺骨ペンダントについてパンフレットやWEBサイトで漫画でわかりやすく紹介

遺骨ペンダントについてパンフレットやWEBサイトで漫画でわかりやすく紹介

喪失感や寂しい気持ちが癒える
お手伝いをしていきたい

──アクセサリーだけでなく、ミニ骨壷や供養台などの手元供養のアイテムを購入される方が増えてきたということですが、その背景はどういったことなのでしょうか?

上原 核家族など生活スタイルの変化は大きいかもしれないです。いつもお守りのように身に着けていたい方はペンダントなどのジュエリーを選ばれますが、ミニ骨壺や供養台は、ご自宅のリビングや寝室に置いて、大切な人に見守っていてもらえるように、という思いからお求めいたくことが多いです。

──購入される年齢層は40〜60代の女性が多いと伺いました。

上原 配偶者やご両親のご遺骨を納める方が多いため、40〜80代が中心です。男女比では女性の方が多いですが、最近は男性の方の購入も増えてきています。

今はあらゆるニーズにお応えできるようにさまざまな商品を揃え、男性向けのジュエリーもラインナップを増やしています。普段ジュエリーを身に着けない方でも、外出先でも一緒にいたい。というニーズにお応えできる、携帯タイプのミニ骨壷も人気です。

──「Soulシリーズ」のアイテムが、持ち主の方たちにとって、どういう存在のものになってくれたら嬉しいですか?

上原 遺された方の気持ちを少しでも癒すことができればと思います。故人様にとっても、家族が長い間悲しみ落ち込んでいるのは、つらいことではないかと思うんです。ソウルジュエリーやソウルプチポットによって、大切な人との絆をいつも感じられ、少しでも前向きになっていただければ嬉しいです。

──今後、新商品の開発など展望がありましたら教えてください。

上原 これからも様々なニーズにお応えできる商品を作っていきたいと思います。2010年の導入から10年経ちましたが、まだご存知ない方も多くいらっしゃると思いますので、喪失感や寂しい気持ちを癒やすお手伝いをしていきたいです。

写真/大塚日出樹

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