画像: 八木研の仏壇販売店「ギャラリーメモリア」

八木研の仏壇販売店「ギャラリーメモリア」

赤い“現代仏壇”のロゴマークが印象的!株式会社八木研(以下、八木研)は、どこよりも早く、モダンなデザインの仏壇作りを始めた都市型仏壇のパイオニアです。ブティック風に仏壇を展示した販売店「ギャラリーメモリア」もこれまでの"仏壇屋さん"のイメージを一新しました。

八木研は、「仏壇のあるリビング」をテーマに、ライフスタイルが変化しても、祈りの空間を身近に感じられるよう、時代に先駆けた仏壇・仏具を作り続けています。既存のスタイルにとらわれないその自由な発想の源を探るべく、同社で仏壇・仏具の開発に携わる企画室課長の松木宏行さんにそのお話を伺いました。

見えないウォンツを形に

画像: 株式会社八木研 企画室課長 松木宏行さん。今期新作のオープンタイプ仏壇「ウィロー」と組紐リン棒の「くみわ」と共に

株式会社八木研 企画室課長 松木宏行さん。今期新作のオープンタイプ仏壇「ウィロー」と組紐リン棒の「くみわ」と共に

━━松木さんが八木研に入社されたのは、どういうきっかけだったんでしょうか?

私が入社したきっかけは、電車の車内広告で八木研の洗練されたデザインの仏壇を見て、衝撃を受けたことなんです。今から20年ぐらい前で、当時はまだ仏壇といえば黒塗りというイメージでした。そんな中で見た、モダンなデザインの仏壇には驚きましたし、これなら自分も仏壇を買うだろうなという感覚になりました。その印象が忘れられず、数年後に企画職として入社したのです。

━━八木研では1984年(昭和59年)から、仏壇を作り始められたそうですね。

はい。弊社は和室から洋室へとライフスタイルが変化することに合わせ、家具調のモダンで明るいイメージの仏壇を、30年以上前から提供しています。大切な方を想い、手を合わせる仏壇は身近な存在。だからこそ、生活の中で置きやすい場所や機能を考え、お客様の「こんな商品が欲しかった」というウォンツをカタチにしている会社です。

━━お客様のニーズやウォンツはどうやって見つけられているのでしょうか?

ウォンツは見えないものだからこそ、カタチにして、お客様に提案していくことが大事だと思っています。開発スタッフはそれぞれが常日頃から街を歩いたり、ニュースを見たりして情報を集めています。また、お客さまのところへ納品に伺ったときや、取引先のお店に行った際にお話を伺ったり、直営店の販売スタッフと話したり、生の声も大事にしています。

伝統を守りつつ、
新らしいものを作る試み

━━商品化する時には、どんなことを大切にされていますか?

「これまでにないものを作る」という点はかなり意識しています。また、伝統工芸や技術、新しいデザイン、素材などを活かしながら、いかに現代の生活の中で仏壇・仏具として映えるかを考えています。

━━今年の新作仏壇「ネージュ」は、どんなコンセプトで作られたのでしょうか?

「ネージュ」は海外の家具からインスピレーションを受けて、背板に雪の結晶をモチーフにした金色の透かし模様を彫りました。そうすることで、後光が差しているようにも見えるんです。さらに、ブルーブラックという、仏壇ではあまり見かけない色味を取り入れました。月明かりの夜空のような神秘的な空間を感じていただけたら嬉しいですね。

━━なるほど。これらの商品は御社で作られているのでしょうか?

私たちはあくまで企画メーカーですので、企画開発やデザインは行いますが、実際のものづくりは提携先の方々と一緒にやっています。

━━提携先としては、どういった方がいらっしゃいますか?

商品によって様々ですが、家具職人さんや伝統工芸の職人さんと提携させていただくことが多いですね。例えば、弊社の仏具「ホビット」は九谷焼きの磁器で、伝統工芸の職人さんと作っています。九谷焼の特徴である大胆な模様を活かしつつ、仏壇に飾った時により映えるように、模様を同系色にしてモダンな雰囲気に仕上げました。伝統工芸の技術を活かして、現代にあったものをつくる、そういった新しい取り組みも行なっています。

画像: ホビット/九谷焼の仏具。黄色い模様の部分は色のトーンをあわせてスッキリ ( 撮影/中山カナエ )

ホビット/九谷焼の仏具。黄色い模様の部分は色のトーンをあわせてスッキリ (撮影/中山カナエ)

━━素材を選ぶ際に、大切にされていることはありますか?

仏壇は世代を超えて受け継がれるものですので、長年使っても変化しないことや耐久性があることも大事にしています。

━━それでは、松木さんにとって、開発する過程で思い出深いエピソードを教えてください。

「アンテロープ」という仏壇を作った時ですね。水の流れを表現したくて、仏壇の扉を削って波模様をデザインしました。板は、表面と裏面を同じように削っておかないとどちらかに反ってしまうので、高い技術力が必要になってくるんです。初めに試作した時は見事に反ってしまって。その後、製作メーカーさんが工夫してくださったおかげでこの問題は解決できました。斬新なデザインはいくらでも描けますが、それを技術面で実現して安定したものづくりをする、そのバランスをとるのが難しいなと感じました。

「アンテロープ」は、新商品の内覧会に出したところ、すぐにお客さまがお求めくださり、取扱先様からも良い反響をいただけました。このサイズの仏壇としては価格が高くなってしまったのですが、付加価値を感じていただけたのだと嬉しくなりました。

画像: アンテロープ/水と風が崖を削りできた、アンテロープキャニオンの壮大な渓谷にイメージを重ねて命名

アンテロープ/水と風が崖を削りできた、アンテロープキャニオンの壮大な渓谷にイメージを重ねて命名

座ったらキャスターが止まる?
椅子付き仏壇の進化

━━商品開発では、どんなところからヒントを得ているのでしょうか?

インテリア関係やギフト関係や建材の見本市に行ったり、ウェブや雑誌などからも面白い素材や技術がないかを探していますね。開発スタッフはみんな、既成概念にとらわれない新しい商品を提案できるように普段からいろんな方向にアンテナを張るようにしています。

━━八木研の仏壇は今までにない新しさだけでなく、現代のライフスタイルにも配慮された商品だと感じます。それはお客様のニーズを参考にされているのでしょうか?

お客様の声を形にした商品としては、例えば、扉を跳ね上げるタイプの仏壇などがあります。従来の観音開きの扉は、仏壇本体の左右にスペースが必要で場所をとります。それなら、扉を上に開けるようにして仏壇本体に収められれば、解決できるのではと考えました。

━━場所を取らないというのは嬉しいですね。

もうひとつ、仏壇本体に椅子が収納できるタイプの仏壇もそうですね。2002年に弊社が業界で初めて販売を開始しました。仏間がないお家でも、リビングに仏壇を置いて、座ってゆっくりとお祈りできるということで、今も人気が高く、長く愛されている商品です。

最新作の椅子付き仏壇「テネラ」は、皇室の献上品に選ばれている学習机のパイオニア、浜本工芸さんとコラボして作りました。椅子のキャスターは軽い力で引き出せて、座った時にはピタッと止まるので安心です。

まだ誰も気づいていない
ウォンツを提案し続けること

━━様々なアイデアが取り入れられていて、今後の新作も楽しみです。それでは、最後にこれからの展望を教えてください。

最近の傾向を見ていると、モダンな仏壇は、どんどん小型化して装飾を削ぎ落としたものになっていくんじゃないかなと感じています。そのような中でも、弊社の現代仏壇は、シンプルなだけではない何か付加価値を感じられる商品を提供することが大切だと考えているんです。

例えば、オープンタイプ仏壇「ウィロー」は、形はものすごくシンプルですが、背板には「モダンデザインの父」と呼ばれたイギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスの柄を手刷りした京唐紙を取り入れ、ライトがなくても明るい印象になるようにしています。これは仏壇をお使いいただく方の祈りの空間が、いつでも明るいものになってほしいという思いを込めていまして、そういったストーリーがお仏壇には大事だと思うんですよね。

時代の変化に合わせたものを提案する一方で、祈りという行為をより尊いものと感じていただきたいという願いを込めて「グラン クリュシリーズ」という最高級の材質と一流の技術を取り入れた大きな仏壇も発表しています。

いずれにしても、八木研としていちばん大事にしているものは、大切な人を想うという原点を忘れないこと。お仏壇は大切な方とのコミュニケーションの場です。その上で、僕が入社前に電車広告で感じた「こんなのがあったんだ!これならほしい」という思いを持っていただけるような、お客様自身もまだ気づかれていないウォンツを提供できたら。そういったものづくりをこれからも続けていきたいと思っています。

This article is a sponsored article by
''.