流れず、曲がらず、くすぶらず。神仏用のローソクでは昔から大事にされてきている、「三ず」を実践している老舗のカメヤマ株式会社。その技術の高さとアイデアで、大切なあの人を偲ぶ時間を温かなものにしてくれる。そんなアイテム、「好物キャンドル」をご紹介します。
リアルに見えるよう、本物と色を見比べ
何度も試作を重ねていく
お寿司やお団子など、本物の食べ物や飲み物にそっくりの形をした、カメヤマ株式会社の「好物キャンドル」。キャンドルやお線香が灯すと減っていく様子に、「故人が飲んだ(食べた)ようでコミュニケーションがとれたようだ」、「お墓で動物に食い荒らされない」など、好評を博しています。
開発のきっかけは、“若い人にもご供養になじんでもらいたい”という思いから。
墓前にお団子やワンカップ大関などが、お供えしてあるのをよく見かけることから、故人様の好きだった食べ物や飲み物をかたどったローソクをお供えすることでより深く、故人様を偲ぶ時間をもっていただけるのではと開発されました。
そのクオリティーの高さから、2015年に「好物キャンドル」はグッドデザイン賞を受賞。
同年4月には、供養の用途だけにとどまらず、インセンスやお土産物としても使えるよう「好物シリーズ」としてリニューアルされ、もともと販売されていたミニジョッキ(ビール型キャンドル)に加え、ワンカップ大関ローソク、緑茶キャンドル、お団子キャンドルなど新しいアイテムが続々と登場。
製造販売元のカメヤマ株式会社では、原料になるワックスを天然ガスからつくることで窒素酸化物や二酸化炭素の排出の少ない製品を実現するなど、人と環境に配慮されたものづくりをしています。
好物シリーズの商品開発で、いつも苦労するのは形と色。リアルに見えるように何度も試作を重ね、色も本物と見比べながら、色出しを行うため、かなりの時間を費やしているとのこと。最後に燃焼試験を行い、そこできちんと燃焼しなければ、原料の配合や芯糸の種類から見直していくといいます。
「好物キャンドル」のあまりのリアルさに、お土産物として海外の方が購入されることも。
桜餅キャンドルは、中からアンコが。
まるで、ご先祖様が食べているよう
確かな技術とほっこりするアイデアにより、「好物キャンドル」は故人様との対話をより実感できるような試みが加えられていきました。
桜餅キャンドルは、灯すと中からアンコが出てきます。豆大福キャンドル、どらやきキャンドルも同様。おはぎキャンドルは、中からおこわが、おむすびキャンドルは中から梅干しが、お寿司の中からわさびが出てくる仕掛けになっています。
火を灯すと、徐々にローソクが減っていくので、まるで本当にご先祖様が食べたり、飲んだりしてくれているようだ、という喜びの声が寄せられるそう。
今後は、故人様だけではなく、記念日や大切な方への贈り物、メッセージとして、さまざまなシーンで使えるように、“郷愁”をコンセプトにした、どこか懐かしさを感じられるような商品作りを行っていくとのことです。
ご購入は、カメヤマローソクのオンラインショップ、東京と三重にある直営店、またはお取り扱い店で可能です。
おじいちゃんやおばあちゃん、故人様との時間を共有しているように感じられる「好物キャンドル」。
大切なあの人の好物を模したキャンドルに火を灯して、一緒に過ごしたワンシーンを思い出しながら、偲ぶ時間を持ってみてはいかがでしょうか。