名勝地・日本平から伸びる日本平ロープウェイ

画像1: 名勝地・日本平から伸びる日本平ロープウェイ

家康公の廟所があるとされる久能山東照宮ですが、行く手段は二つ。1159段の階段を使うか、日本平からロープウェイを使うか。今回はロープウェイで向かいます。武将の城は攻め込みにくい場所に作るものですが、武田信玄公の居城(久能山城)だった時代もある久能山東照宮も例に漏れず、敵が攻め込みにくそうな場所にあります。

画像2: 名勝地・日本平から伸びる日本平ロープウェイ

最も高いところで地上からゴンドラまで90メートルという高さを進むロープウェイからは、春は山桜、終わると紫の山藤、初夏の新緑、秋の紅葉と四季折々の自然を楽しむことができます。ロープウェイは時速17キロ、久能山東照宮までは1065メートルの距離を約5分で繋いでいます。

眼下に見下ろす駿河湾・家康公が眠る久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)へ

画像: ▲楼門へと続く階段。御神灯がずらりと並んだ参道の光景は夢で見た景色のよう(御神灯設置はお正月期間のみです)

▲楼門へと続く階段。御神灯がずらりと並んだ参道の光景は夢で見た景色のよう(御神灯設置はお正月期間のみです)

社務所を通ると目の前に朱塗りの大きな門が目に入ります。これは楼門(ろうもん)という2階建ての門で、門には平和の使者と伝えられる想像上の動物・獏が四体彫られています。

画像: ▲楼門に彫られた獏

▲楼門に彫られた獏

4匹の獏は別の方向を向いており、それぞれの向いている四方に平和のメッセージを伝えているといわれています。

画像: ▲ご案内は久能山東照宮 権禰宜の海野(うんの)さん

▲ご案内は久能山東照宮 権禰宜の海野(うんの)さん

画像1: 眼下に見下ろす駿河湾・家康公が眠る久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)へ

戦国時代に終止符を打ち、人生50年という時代に75歳まで生きた徳川家康公。そんな家康公が眠る地にあるのは権現造、総漆塗り、極彩色の煌びやかな社殿。久能山全域は国の史跡に、本殿、拝殿、そして本殿と拝殿の間にある石の間は国宝に指定されています。

画像2: 眼下に見下ろす駿河湾・家康公が眠る久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)へ

拝殿にて参拝しました。拝殿向かって真ん中の部屋では徳川家康公をお祀りしています。こちらでは戦国時代を代表する戦国三英傑のお三方が祀られており(!)、向かって右側には豊臣秀吉公を、同様に左側には織田信長公を相殿としてお祀りしています。

豊臣秀吉公、織田信長公が祀られたようになったのは実は明治からの話で、もともとは家康公を守るために仏像が祀られていました。神仏分離令で仏像を他のお寺に安置することになり、平和を作った三柱として秀吉公と信長公のお二人をお祀りするようになりました。

画像3: 眼下に見下ろす駿河湾・家康公が眠る久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)へ

また拝殿の一部には約200年前以降、手直ししていない箇所があるのですが、その理由がまた深い。当時の職人の間では「建造物・修繕は、完成した瞬間から老朽・崩壊に向かう」と信じられていました。つまり、わざと修繕箇所を残すことによって「まだ修理途中だから古くならない」という願掛けの意味を込めたという説です。

画像: ▲右側部分の色褪せて見える箇所は、約200年前から手直ししていないそう

▲右側部分の色褪せて見える箇所は、約200年前から手直ししていないそう

理由には諸説あるそうですがいずれにせよ、こちらでは手直しされて煌びやかな装飾と250年前をそのまま伝える装飾、というふたつを一度に見ることができるのです。

久能山に鎮まる家康公

画像: ▲寛永17年(1640)に3代将軍徳川家光公により現在のかたちに造替された石造宝塔は、ほとんど継ぎ目のない岩で作られています

▲寛永17年(1640)に3代将軍徳川家光公により現在のかたちに造替された石造宝塔は、ほとんど継ぎ目のない岩で作られています

本殿の後方にある廟門より約40段の石段を登ったところにあるのが家康公の廟所・「神廟」です。家康公の廟所は、豪華絢爛な社殿とは一味違う厳かな雰囲気が漂っていました。

神廟は家康公の御遺命により西向きに建てられています。西向きの理由には諸説あり、有力とされているのは西に向けたことで徳川に従わない抵抗勢力ににらみを利かせている説。
それ以外にも家康公が生まれた岡崎城、亡くなった駿府城、ずっといられた浜松城、これらが全て西にあるので、自分の一生を振り返っているのではないかともいわれています。

画像: 久能山に鎮まる家康公

眼下に見下ろす駿河湾。死してなお、自らの生涯を振り返りこの地と日光で神様として鎮まる家康公。家康公、なかなかのロマンチストですね。

久能山東照宮
静岡市駿河区根古屋390
054-237-2438
https://www.toshogu.or.jp/

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