画像: Photo by Sarah Dorweiler on Unsplash

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お墓に関する言葉のひとつ「墓じまい」。
どのような意味があり、どのような手続きを行わなくてはならないのでしょうか。
今回は、墓じまいについて具体的な手続きの流れや、こちらもよく耳にする「永代供養」との違いについても詳しくご紹介します。

墓じまいとは?目的や意味を解説

墓じまいという言葉から、なんとなくその意味を想像できるのではないでしょうか。
聞いたことはあるけれど具体的にどのような意味なのか知らなかったという方も多い墓じまいについて、きちんと理解しておきましょう。

墓じまいの意味や目的

墓じまいとは、お墓を処分することです。
お墓(墓石)を取り壊して更地にし、その場所を管理しているお寺や霊園に場所の使用権をかえすことを墓じまいと言います。
完全にお墓をなくすため、もちろんお墓に納められている遺骨も取り出して別の墓地に埋葬します。
このように遺骨を別の場所に移すことを「改葬」と呼びます。

墓じまいと永代供養との違いとは

よく耳にする「永代供養(えいたいくよう)」は、墓じまいとは違う意味を持っています。
墓じまいはお墓の処分をし、中の遺骨を別の墓地に埋葬することを指します。これに対して永代供養とは、個人・夫婦単位で、お寺に供養してもらうことを言います。旧来は、先祖から子孫まで代々、「家」単位で、墓石を立てて埋葬し、供養する形式をとる家庭が多かったのですが、最近は、永代供養を選ぶ人も増えています。
なお、通常、永代供養を引き受けてくれるお寺は、納骨堂を有し、そこにお骨も預けることができます。
ただ、必ずしもお寺の納骨堂にお骨を預けて永代供養をするとは限らず、大きな霊園に遺骨を改葬する場合もあり、墓じまいと永代供養は別物ととらえた方が分かりやすいでしょう。

墓じまいの流れや手続きは?費用はどれくらい?

では、墓じまいを行うための手続き方法や費用についても見てみましょう。
お墓は勝手に取り壊したり、中の遺骨を取り出したりしてはいけないもののため、法的な手続きを経てきちんと遺骨を改葬先の墓地に移動させる必要があります。

墓じまいの流れ・手続き

まず、墓じまいを行う際は遺骨を移転する墓地を決めておく必要があります。
いざお墓を取り壊してから遺骨の行き場がないということにならないようにするためです。

遺骨を移転するためには、新しい墓地の管理者から「受入証明書」を発行してもらう必要があります。
お寺の納骨堂にお骨を預けて永代供養してもらう場合は、そのお寺の管理者の指示に従って手続きを進めましょう。

遺骨の移転先を決めたら、現在のお墓の管理者に墓じまいを行うことを伝えます。
その後、現在のお墓がある市区町村の役場で「改葬許可申請書」をもらいますが、注意点としてはお墓1基ごとの申請ではなく、移動させる遺骨1体につき申請書が1枚ずつ必要になるということ。
また、改葬許可申請書は市区町村によって様式が違うため、不明点は市区町村のホームページで確認したり、窓口で確認したりしましょう。

そして、改葬許可申請書には、現在の墓地の管理者に埋葬証明印を押印してもらわなければなりません。ただし、市区町村によって、墓地管理者が独自に発行する埋蔵(埋葬)証明書に替えることができますので、詳細は各市区町村に確認しましょう。
その後受入許可証とともに役所へ提出して「改葬許可証」をもらいましょう。

続いては、遺骨を取り出すための「閉眼法要」を行います。
故人の魂をお墓から抜いてもらうための法要ですので、お寺に依頼しましょう。
すべての手続きが終わったら移転先の墓地・永代供養を行うお寺の管理者に改葬許可証を提示して、遺骨を移します。

最後に、元のお墓にあった墓石を解体・撤去して、土地の使用権をお寺や墓地管理者にかえすと墓じまいは完了です。

墓じまいにかかる費用

墓じまいにはそれぞれの工程で費用がかかります。

・証明書発行や申請時の費用
・墓石の撤去費用
・閉眼法要でのお布施
・離檀料

まず、証明書を発行する際や申請する際の費用についてです。
多くは無料ですが、自治体によって改葬許可申請を行う際の手数料が数百円ほどかかることがありますので、あらかじめ窓口で尋ねると良いでしょう。

お墓を撤去して更地に戻すための費用がかかりますが、こちらは業者によって大きく異なっており、多くの場合は1平方メートルあたり10万円前後です。
墓地によっては業者を指定していることもあるため、管理者に尋ねましょう。

また、閉眼法要を行う際にはお経をあげてもらうため、お布施として数千円~5万円程度の費用を用意しましょう。
そして、お寺から遺骨を移動させる際に、そのお寺の檀家をやめるための離檀料がかかります。数万円から30万円程度かかり、お寺によってその費用は大きく異なっているため、こちらも管理者に尋ねると良いでしょう。

まとめ

墓じまいは永代供養とは違い、遺骨を納めているお墓そのものを撤去することを指します。
墓じまいの後に遺骨をどのように管理するか、親族との話し合いを行うのはもちろん、トラブルなくスムーズな改葬ができるように手続きを行いましょう。


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