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「この世は苦である」と聞いて安心した話 〜日々と弔い〜
弔い。
どこか遠くにあるようなその響きは、そっと耳をすませてみれば、私たちの日々にもきちんと息づいています。死に向かって生きるわたしたちの「今」を、僧侶ライターの小鳥が切り取ったり、切り取り損ねたりする、ゆるめのコラムです。ちょっとだけお付き合いください。
《 小鳥 》
ライター、僧侶。30数年前にお寺の子として生まれ、僧侶となり、両親とともに実家の寺で暮らしながら、日々、言葉を紡いでいます。
この世は素晴らしい!……とは限らない。
もちろん素晴らしいな、美しいな、捨てたもんじゃないな、という気持ちは抱く。それはとても満たされる瞬間だ。救いのようにも思える。
だけど、そんな奇跡のような瞬...