「煎餅屋 みりん堂の“家伝の醤油タレ”」次のあるじ 第三話
先に旅立った人が、この世界に遺した品たち
故人が遺した物品を「遺品」や「形見」と呼んでしまうと、なんだか触れてはいけない厳かなもののような気がして、そのままタンスの奥に仕舞っておきたくなる人も多いでしょう。
しかし、その品を誰かが引き継いで愛用することで、それは永遠に道具としてあり続けるのではないでしょうか。道具に込めた故人の想いは、ともに生き続けるかもしれません。
次の世代に引き継がれた品たちを探訪する「次のあるじ」。第三回目は東京スカイツリーのお膝元、墨田区業平で4代続く煎餅屋「みりん堂」が舞台です。
戦争で焼け野原になった東京。戦火を逃れた家伝の醤油タレ
「煎餅屋ほど面白い商売はな...